ワインの薫りの移り変わり

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「あっ、雨の薫りがする」

と、雨の気配を感じてしばらくすると、本当に雨がポツリポツリと降り始める。

なんとなく懐かしいと感じる、雨が降り始めた直後の地面から立ちのぼる独特な香り。

あの雨の香りは、田舎育ちの私でなくても、幼い頃の想い出とともに記憶に残っている人が多いのでは…。

雨の降り始めの香りには「ペトリコール」というギリシャ語に由来する「石のエッセンス」という意味の名前がつけられているのだそう。

そして「雨が降ったあとの香り」もあって、これは土壌細菌がつくり出す「ジェオスミン」という物質の匂いなんだって。

降り始めの「ペトリコール:石のエッセンス」に対して、降ったあとは「ジェオスミン:大地の香り」と知ると、雨の日の香りの嗅ぎ分けも楽しみの一つになりそうで、梅雨の憂さも少しだけ忘れさせてくれる。

そして、湿度の高い雨の日は、香りもこもりやすいもの。

だからこそ、雨の日や梅雨時期は香りを味方につけて気持ちよく過ごしたい。

ということで、今回はワインの香りにまつわる旅に出てみましょう。

この記事を書いた人は…

AYUMI IKEDA池田 あゆ美

自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。