福島県郡山市の出身、中央大学文学部ドイツ文学科を卒業した経歴を持ちますが、在学中に麻井宇介氏と出会ったことがきっかけでワイン造りの世界に飛び込む決意をしました。16年間、山梨県笛吹市のルミエールで栽培、醸造責任者を務めた後、現在は退社して約3haの畑を管理し、2014年に初めてドメーヌ オヤマダとしての仕込みを行いました。

モットーは農民芸術の振興であり、ブドウ作りをワインという芸術で表現するためには「ブドウのポテンシャルを追求し、無駄な手を加えずにワインを汚さないこと」が非常に重要だと考えています。

クロード クルトワの「ラシーヌ 1999」を口にし、ビオディナミに心酔し、2004年よりその道を歩み始めた彼は、農薬の使用有無よりも「日々の畑の観察と適時の管理」こそが、真に優れた作物を生み出す原動力であることを確信していました。そして、北海道や阿蘇など、草が少ない土地以外では、ビオディナミの重要性よりも雑草との共生が大切であることに気付いていたのです。この考え方は、福岡正信氏や川口由一氏、岩澤信夫氏らの自然農法の流れからも生まれており、農薬を使わずに硫黄とボルドー液のみを使って最高品質のブドウを栽培することを彼の目標としていました。

ドメーヌ オヤマダのワインは、未来を担う日本の農業を見据え、土地を受け継ぎ、育成と雇用を目的とするペイザナ農事組合法人の中原ワイナリーで、醸造されている。葡萄は自家農園で栽培され、培養酵母や発酵助剤などの使用は厳禁で、葡萄の自然酵母によって発酵が行われる。製品の品質保持に必要不可欠な亜硫酸は、最低限の使用にとどめられ、ほとんどの場合、糖分の添加は行わず、極めて悪天候の年を除き、アルコール分の上昇を意図して糖分を加えることはありません。スパークリングワインでも、酵母の添加は一切ありません。

文： インポーター資料を元に編集
写真： ©Tessy Ital