【今回のワイナリーは…】
イ クリヴィ / I Clivi
【生産者は、こちらの方…】
マリオ ザヌッソ / Mario Zanusso
くもり
5.4℃
81%
1.03m/N
06:19
15:26
街に出ると、音楽が溢れていた。私が青春を送っていた頃は…と、また昔話になるけれど。
それこそ、1980年代は、レコード屋さんもたくさんあって、街に出れば流行りの曲が流れていた。
街だけでなく、テレビをつければ、車、化粧品、タバコのコマーシャルには、一度聞いたら忘れられない曲が使われていて、何度も聴きたくて街のレコード屋へと探しに行った。
街から流行りの歌が消えて、周りを見渡せば、誰もがスマホ片手に好きな曲をイヤホンで聴いている個の時代。
自分の世界に浸る時間は心地よい、そんな時間も大切だけど…
音楽もワインも趣味嗜好、自分の世界とはいえ、その価値観を誰かと共有することこそ、人と人を繋ぎ、人生を豊かにしてくれるのに…と、思う。
そんな私は、昔から、ヒット音楽だったら手当たり次第に何でも聴く、というタイプではなくて…。
自分の在籍した会社をディスるつもりはないけれど、CBSソニーよりEpic派で、アイドルでもフォークソングでもない、美意識や好みが明確なアーティストたちに心動かされた。
だから、ワインの好みも同じで、方向性の明確な職人技的なものに心ひかれる。
そして、自分の気分やテンションで、ワインのセレクトを変えて楽しむというのも、音楽と同じ。
初夏を感じさせる心地よい風が吹くと、恋しくなるワインがある。
私にとって、この時期の定番の一つで欠かせないのが、フランスだとロワール地方、イタリアだとフリウリ地方の白ワイン。
新緑が眩しい初夏のある日、フリウリで注目する造り手『イ クリヴィ』のマリオが初夏の風とともにやってきた。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。