【今回のワイナリーは…】
ピュール / P U R
【生産者は、こちらの方…】
シリル アロンソ / Cyril Alonso
くもり
4.5℃
61%
4.28m/S
06:53
16:01
哀愁の溶け込んだような美しい秋の夕映えを食べたことがある。
もちろん、夢のなかのことなんだけれど、その澄んだ茜色の空は、儚くて、せつなさ、悲しさ、寂しさを含んでいて、どこか温かく、とにかくとても甘酸っぱかった。
それを食べた途端、とても胸がキュンとなって、心の柔らかいひだに沁み込んでいくのがわかった。
そして、「あー、夕焼けって、初恋の味がするんだなぁ」と感じたのを、日ごと濃くなる秋の夜空を見つめていて想い出した。
夕焼けを食べる夢から随分とたって、私は都会の慌ただしい生活を日々やり過ごしていた。いつの間にか年齢も重ねて、本当にこんな毎日でいいのかなと自分自身に問いかけていた頃だった。
私の前に可愛いボトルとエチケットが印象的なオレンジピンクの微発泡ワインが運ばれてきた。
そのワインは、グレープフルーツのような柑橘系フルーツの甘酸っぱい果実味が印象的で、アフターにくるイチゴの甘い香りが心地よく甘い気分にさせてくれる。泡も強すぎず、喉ごしもとにかく良くて優しかった。
爽やかでフレッシュ、そして甘酸っぱい感じはなんだか懐かしくて、そのロゼ色の泡にも初恋を見つけた。そのワインは『ドメーヌ ド ランセストラ(シリル アロンソ)のロゼ ローガズーズ』だった。
そのワインとの出会いのすぐあとに、彼のドメーヌを訪ねることができた。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。