【今回のワイナリーは…】
ユーディト ベック / Judith Beck
【生産者は、こちらの方…】
ユーディト ベック / Judith Beck
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とても残念なことだけど「偽装」は日常的に行われている。
2000年の始めにBSEが発端で牛肉偽装が発覚、社会問題化してから、食品や産地の偽装などの数多くをメディアでも取り上げてきた。
コストカットのための水増しや産地、食品偽装…近年は、もはや「またか」と消費者たちの驚きも少なくなった。
ここ数年でワインの産地として急激に注目され始めた国にオーストリアがあるけれど…じつは過去にワイン偽装があり世界的なスキャンダルとなって、信頼を失墜させた。
1985年に発覚した、ジエチレングリコール混入事件(甘味やまろやかさを加える目的で不凍液を添加。
ドイツで検出され、一夜にしてオーストリアワインが消えた)この事件を、オーストリアのワイン界は、猛反。
国を挙げてワインの品質向上に取り組み、事件から30年ほど経った現在、信頼を回復させ、さらにはピュアでクリーンなワインの国というイメージまで確立してしまった。
これは本当に凄いことだ。
だって、オーストリアのワインを飲むと、本当に果実味がストレートでピュア、気取りもなくおいしいのだから。
ただ、日本ではまだあまり知られていない、ワインの産地としてのオーストリア。
ヨーロッパ一の有機農地率を誇り、先の事件に立脚した厳しいワイン法を厳守してワインは造られるということもあって、現在では世界一「自然なワイン国」を自認している。
気候条件はブドウの栽培にとても好ましく、そのワイン生産の大半を東部の3つの地域から産出する。
ドイツ語圏かつ、ワイン用語もドイツ語表記が多いために、ドイツの弟分的にワインの世界では扱われることも多い。
けれど、ドイツよりも辛口の白が圧倒的に多く、栽培面積では、白ワインが赤ワインのほぼ2倍らしい。
そんなオーストリアからは、日本へ続々と新しいワインが紹介されている。
そのなかで、独自の気候風土やミクロクリマが特徴的なブルゲンラント地方から、新世代の生産者がバカンスにやってきた。
『ユーディト ベック』は、父からワイン造りを引き継いだという女性醸造家なのだが、今はご主人と一緒に二人三脚でワイン造りに取り組んでいる。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。