【今回のワイナリーは…】
イミッヒ バッテリーベルク / Immich Batterieberg
【生産者は、こちらの方…】
ゲルノート コルマン / Gernot Kollmann
くもり
1.7℃
81%
3.09m/W
06:54
15:40
「長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった」その先に続くのは「夜の底が白くなった」で、川端康成の『雪国』には、「底」という比喩表現が何度も使われている。
『雪国』ほどではないにしろ、このコロナ禍の3年間は、飲食業界は暗い闇を彷徨い、何度もどん底を見てきた。
この5月、新型コロナの5類移行にともない、飲食店やコンビニのアクリル板やビニールシートが撤去され、ようやく日常が戻ってきた…と喜んだのもつかの間。
ワイン業界には、次なる「底」が突きつけられた。
というのも、これから日本に輸入されるワインの多くは、2021年もの。
2021年は、世界のワイン生産量が記録的な低水準に落ち込んだ年だ。
欧州最大の生産国フランス、スペイン、イタリア3か国の収穫量は、気候変動の影響で霜や雹、ベト病などの要因により、この半世紀で最小という結果となった。
では地球の裏側、南半球の南米や南アフリカ、オーストラリアなどはどうかというと、多くの生産国では収穫量は増加したが、ヨーロッパの生産量減少がそれを上回っていて、結果、記録的な低水準となった。
ということは、ワインは枯渇に向かっているといえる。
母なる自然は、私たちに与えるものもあれば、時には奪っていくものもある。
各産地では、気候変動への本格的な「備え」を検討、実施している。
一方で、温暖化の恩恵を授かっている産地もある。
今回は、気候変動が追い風となっている産地ドイツ モーゼルのワイナリー「イミッヒ バッテリーベルク」の造り手 ゲルノートに直接話しを聞いてみた。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。