【今回のワイナリーは…】
アンペレイア [フォラドーリ] / Ampeleia ‘Foradori’
【生産者は、こちらの方…】
エリザベッタ フォラドリ / Elisabetta Foradori
くもり
7.7℃
100%
2.05m/NE
06:29
15:41
「すべての風呂は、ローマに通ず」というキャッチコピーで、彫りの深い古代ローマ人をあらわす石像彫刻が現代日本の銭湯にタイムスリップする爆笑コミック『テルマエ ロマエ』阿部寛の主演で実写映画になったヒット作品なので、ご存知の方も多いと思う。
この作品でイタリア人のなかでも温泉は重要な位置を占めてきたことを知った。
たしかに、イタリアは日本と同じ火山国。
北から南までまんべんなく温泉が湧き、各地に「テルメ」とよばれる温泉保養施設がある。
イタリア人には日本人と同じ温泉好きのDNAが組み込まれているのだ。
数あるイタリアの温泉地の中でとくに美しいといわれるのが秘境サトゥルニア温泉。
青い空の下に広がる、美しい石灰棚の自然露天風呂、この温泉地があるのが、南トスカーナのマレンマだ。
マレンマ地区は、ルネッサンスの中心地となったフィレンツェから南に150㎞ほどと遠く離れた土地で、キャンティやブルネッロの街モンタルチーノなどの銘醸地からも遠い。
現在は海のトスカーナと呼ばれているが、古代ローマ時代は湿地帯、50年代までは鉱山資源によって潤ってきた。
が、鉱山は閉山し過疎化が進む。
この地にいたく惚れ込んだのが、トレンティーノのビオディナミのカリスマ、エリザベッタ フォラドリだった。
「アンペレイア」は、フォラドリ女史の別プロジェクトで、このプロジェクトでの理想のスタイルは「地中海らしさのある、なめらかな絹のようなワイン」だった。
一般的な造り手だったら、ワイナリーの立ち上げでは、まずはこう考える。
土地があり、その土地にあうブドウ品種を選定し、植樹、栽培。
自分たちのテロワールを反映するワインに仕立てよう…と。
けれど、彼女は、目標とする地中海を感じさせる高貴で調和の取れたワインを造るために、最初に栽培したいブドウ品種を考え、その品種に適した土地を探したのだそうだ。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。