【今回のワイナリーは…】
マルク テンペ / Marc Tempé
【生産者は、こちらの方…】
マルク テンペ / Marc Tempé
雨
3.3℃
86%
0.9m/SE
06:47
15:46
アルザス訪問の旅で、マルク テンペさんに初めて連れて行ってもらったのは、シゴルスハイムの村を見下ろす展望台で、その丘の斜面は特級畑のマンブールが広がっていた。
その眺めが、私にとって、アルザスらしい最初の風景だった。
いくえにも連なる小さな丘にどこまでも続くブドウ畑、その間に小さな村が点在している。
緑の布を広げた真ん中に立っているみたいで、眼下に広がるブドウ畑は目に痛いほどの緑だった。
足元や空気から伝わってくるのは、みなぎる自然の息吹、その力に圧倒されて、身体中の毛穴という毛穴が開いたような感覚に襲われた。
そして、私は、空を見上げた。
高く広い空に深呼吸をして、やっとアルザスの匂いを感じた。
普段の東京の生活では、どこを探しても覚えのない、生きた土の香りだった。
かれこれ10年以上も前のことだけれど。
以来、私は何度、アルザスを訪ねただろう。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。