
【今回のワイナリーは…】
メゾン ラポルト / Maison Laporte
【生産者は、こちらの方…】
ジャン マリー ブルジョワ / Jean Marie Bourgeois
くもり
6℃
96%
4.01m/SE
05:47
18:03
フランスの魅力はパリだけにあらず。
なかでも「フランスの庭」といわれるロワール川の流域には、どこを切り取っても絵になる風景が広がっている。
美しい田園地帯には、中世の一時期、国家の中心となり繁栄していた名残として、今も古城が多く立ち並び、その風景をより風情のある特別なものにしている。
その風光明媚な景観のなかでも、目にとまるのはなだらかな丘陵地にある牧草地やたくさんのブドウ畑。
ワイン造りの歴史も非常に古いロワール地方は、1世紀頃にはすでにブドウが栽培されていたのだとか。
そして、12世紀頃になると、おもにイギリスやフランスの貴族たちの間で、ロワール産のワインが一躍脚光を浴びる時代が到来、大いにもてはやされていたらしい。
その歴史は現在も引き継がれ、ワイン大国フランスの一大ジャンルとして、ロワールワインは確固たる評価を得ている。
ただし、このロワール地方のワインは、味わいの傾向をひと括りに語れないほど、多種多様なワインが存在する。
なぜなら、全長1000㎞にもおよぶフランス最長のロワール川。
その流域に点在する産地をひとまとめでロワールワインと呼んでいる。
これだけ範囲が広ければ、気候も風土も違い、様々な個性のワインが産まれるのは、しごく当然の話。
そのなかで、最も上流に位置し、海からは遠く離れた白ワインの銘醸地の一つとして、サンセールがある。
まるで中世のフランスにいるかのような錯覚に陥るロワール渓谷を見渡す小高い丘にある産地で、その斜面に多くの畑を所有しているのが「メゾン ラポルト」だ。
現在は、10世代に渡って続く由緒ある家系のブルジョワ家が実質的オーナーになっているのだが、大の親日家で和食好きのジャン マリー ブルジョワが来日。
和食と彼のワインを楽しむ宴をご一緒させていただいた。
フランス人らしく、「食べること」「笑うこと」人生を享受すること楽しんでいるような、ブルジョワさんは御年77歳の現役バリバリな紳士で、まるで自分のメゾン物語の絵本語りをするように、ゆっくりと「私たちは太陽とともに、雨とともにワインを造っています。
そして、ブドウの根が地中のミネラルを吸い上げてくれます。
それらの要素がハーモニーを生むように、奏でるように、関係し合うことを尊重しないといけない。
自然がそれらを表現してくれることを尊重するんです」と、ワイン造りでにおいて大切にしていることを、話し始めてくれた。

この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。