【今回のワイナリーは…】
カンティーネ マドンナ デッレ グラッツィエ / Cantine Madonna Delle Grazie
【生産者は、こちらの方…】
パオロ ラトラッカ / Paolo Latorraca
くもり
10.1℃
88%
1.99m/SW
05:59
15:30
イタリアという国は、私を裏切らない。
食いしん坊の私にとって、おいしいモノ天国なイタリア。
けれど、最初の旅では、期待して行ったのに、おいしいモノに出会えなかった悲しい記憶がある。
長靴型のイタリアのあちこちにおいしいものはあるはずなのに、いざ、それを見つけるとなると、なかなか大変。
それが、トスカーナに住む友人の美食の鼻をクンクン頼りに、地元の人行きつけのレストランや食材店に行ってみたら、あら大変。
「ボニッシモ!(最高においしい)」な料理や食材に出会ってしまい、感動のあまり、夢見心地。
で、会話どころか、写真も撮り忘れる。
そんな感動に巡り会い、その記憶だけがしっかりと胃袋、目、鼻、口に記憶されてしまったから、あら大変。
すると、不思議。
またまた、おいしいモノをハントしに行きたくなるんです。
そして、土地土地の伝統的な食材や料理をどんな作り手が、どんな風土で作っているのか。
昔ながらの生活の知恵から生まれた食材たちに興味がわいて、おいしいモノハンターな気分で、イタリア全土を駆け巡りました。
さらには、その感動を伝えずにはいられず「この食材、このレストラン、本当においしいから!」と。
それが、私のワイン人生の始まりでした。
人もいない田舎道の道路標識が空を指していて、いったいどこに向えばいいの…と、途方にくれたこと数知れず。
そんな私でも「どこにあるの?」で、日本でもあまり馴染みのない地名、バジリカータ。
イタリアには素晴らしい古代遺跡、名所旧跡がいくつもありますが、岩盤に張り付くような洞窟住居「マテーラ」があるのが、このバジリカータ。
イタリアの南部、長靴の土踏まずの部分に位置し、カラブリアとプーリアに挟まれる、小さな州。
で、そのバジリカータのおいしいモノ代表、それがこの土地の赤ワインです。
南イタリアで長熟かつ上質な赤ワインを生み出す、アリアニコ種。
今でこそ、カンパーニャを代表するワイン「タウラージ」の品種として有名です。
ですが、じつは、イタリアのなかではいち早くブドウ栽培が伝わり、ギリシャ人がアリアニコ種を最初にもたらしたのはバジリカータなのだとか。
この黒ブドウ100%で造る「DOC アリアニコ デル ヴルトゥーレ」こそ、南イタリアの最高の赤ワインの一つでバジリカータの代表選手です。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。