【今回のワイナリーは…】
ヴァンサン トリコ / Vincent Tricot
【生産者は、こちらの方…】
ヴァンサン トリコ / Vincent Tricot
くもり
9.6℃
71%
6.17m/S
07:04
16:06
越前富士と呼ばれる日野山の麓、山に囲まれた田舎に育った私が、始めてフランスを旅したとき、まるで夢のような風景だなと感じたのは、凱旋門やエッフェル塔のあるロマンチックなパリの街並ではなく、牧草地で牛たちがのんびり草を食む、車窓に広がる風景だった。
そして、フランスの国土の大部分が、なだらかに広がる緑の森と平野なんだなと列車の旅で実感した。
そんな風景のなかでも、ちょっと様子が違うなと感じたのが、フランスの中央山地のあたり、オーヴェルニュ地方だった。
中央にありながら、高速道路もつい数十年前まで繋がっておらず、交通機関が不便なことから、フランスの穴と呼ばれる、この地方…フランスでは長いあいだ貧しく閉ざされた地域ということになっていたそうだ。
この一帯は、石灰岩の大地に千メートル級の火山が点在していて、ミネラル ウォーターの水源が多いことでも知られている。
標高が高く、寒暖の差が大きいから小麦が育たず、その代わり牧畜が盛んで、おいしい牛肉やチーズ、豚肉の加工品が作られている。
野菜だと地方名産のにんにくやレンズマメ、栗が有名で、おいしいレストランのガイドブックで世界的に有名な、あのミシュランの本社もある。
だからか、最近では美味しい食べ物やレストラン、そしてナチュラルなワインで密かな注目を浴びている。
今でこそ注目を集めるオーヴェルニュのワイン。
彼の地がまだマイナーな産地だった2003年から、ワイン造りを始めた『ヴァンサン トリコ』その造り手夫妻が、日本へプライベート旅行でやって来た。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。