【今回のワイナリーは…】
フルーリー / Fleury
【生産者は、こちらの方…】
ジャン セバスチャン フルーリー / Jean Sebastien Fleury
雪
0.7℃
98%
5.81m/E
06:58
15:58
年齢を重ねるほど、夏の終わりは、はかなくて、ちょっぴり切ない。それはきっと、子どもの頃の鮮明すぎる夏の記憶のせい…。
海辺を歩いたときに裸足に伝わってきた砂の熱さを、芝生に寝転がり見上げた入道雲の美しさと乾いた草の香りを、夏の厳しい猛練習の部活のあとの清々しさを、毎日が小さな冒険で、意味もなくワクワクして、アッという間に去っていった夏休み。
夏になるたび、強烈でキラキラしたあの頃の断片がよみがえる。
大人の夏は、長く、うだるように暑く、終わらない。けれど、だからこそ大人にしかできない、夏を愛でて楽しみたい。さっぱりした料理と弾ける泡で、不快な気分を吹き飛ばす。
グラスに注いだ泡は視覚的にも涼やかで、飲めば元気を養ってくれる。なかでも、身も心も欲する「泡」は、特別な気分へと誘ってくれるシャンパーニュ。口に含めばすべてを包んでクールダウン…さて、そのためには、何をセレクトしましょうか。
なんて考えていたら、シャンパーニュ フルーリー来日試飲会への招待状が届いた。
今回は、三代目の父ジャン=ピエールとともにメゾンを支える兄弟の一人で、栽培を担当する四男ブノワが来日するという。10年前の懐かしい記憶がよみがえる。
目の前に広がるのは、ほのかな香りを放つ、野花の花畑。
白、薄桃、薄紫、黄色と色とりどりの小花が咲き乱れ、風に揺れる野の花は、感動的な美しさだった。ブドウ畑を訪問して、花畑に案内されたのは、あとにも先にも一度だけ、それだけに強烈な印象となって残った。
じつは、そこはコンポスト(堆肥)の畑で、巨大な焦げ茶色の堆肥の山は、野花の隣に広がっていた。聞けば、野花の咲いている場所は、昨年コンポストがあった所だという。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。