未来を見つめる瞳が変えたシャブリ – パット ルー / トマ ピコ –

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【今回のワイナリーは…】
パット ルー / Pattes Loup

【生産者は、こちらの方…】
トマ ピコ / Thomas Pico

この地域「Chablis」の天気現地時間 4/25 17:21 計測
  • 厚い雲
    くもり
  • 気温
    9.5℃
  • 湿度
    77%
  • 風速/風向
    3.8m/S
  • 日出時刻
    04:36
  • 日入時刻
    18:48

おいしいと思ったワインでも、毎日飲み続けていたら、初めのうちの感動は薄れてしまうもの。

昔の話になるけれど、私には、おいしいと感じた「シャブリ」があった。初めて飲んだときの第一印象の快感は、一杯、二杯、三杯…と、回数を重ねるにつれマンネリ化して薄れていく。

けれど、裏切られないという安らぎ、安心感を楽しむ。けれど、あるとき、最初に感じた以上の幸福感を得る瞬間があった。

「あれっ? このワイン何かが変わった」

ワインを囲むときは、飲む時期や場所、シチュエーションというTPOも重要で、その状況によって感じ方も変わる。けれど、その日飲んだシャブリは、これまでの印象とまったく違った。

だから、状況云々ではなく、味わいの素性…つまり、ワインの生い立ちが変化したというのは明らかだった。

かつては「白ワインといえばシャブリ」といわれ、ワインを飲まない人でも聞いたことがあるほど有名な白ワイン産地、それがシャブリ。

この地区は、パリから南東180キロ、ディジョンからは西北に100キロもポツンと離れて、孤立したブルゴーニュ地方の最北の地にあった。

ところが、シャブリはあまりにも人気で世界的需要が高く、名声だけで売れてしまうために、ほとんどの生産者が品質追求を放棄し、大量生産をおこなう怠惰な産地としても有名だった。

そんな産地だからこそ、おいしいワインとの出会いは貴重だし、おいしさの秘密が気になって仕方がない。

この記事を書いた人は…

AYUMI IKEDA池田 あゆ美

自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。