おいしいワインは完璧なブドウから – ドメーヌ モス / アニエス & ルネ モス –

アニエス & ルネ モス / Agnès et René Mosse - IMAGE COPYRIGHT © 2013 PCOEUR, ITARU TESHIMA ALL RIGHTS RESERVED.

【今回のワイナリーは…】
ドメーヌ モス / Domaine Mosse

【生産者は、こちらの方…】
アニエス & ルネ モス / Agnes et Rene Mosse

この地域「Saint-Lambert-du-Lattay」の天気現地時間 4/26 08:13 計測
  • 厚い雲
    くもり
  • 気温
    10.8℃
  • 湿度
    87%
  • 風速/風向
    3.13m/S
  • 日出時刻
    04:53
  • 日入時刻
    19:06

2013年の新緑の頃、早朝で薄暗く今にも泣き出しそうな空のした、私たちはパリからロワールを目指した。

路上にほかの車はなく、2時間ほどの静寂のなか、意識は夜と朝の間を行き来した。ふと、案内標識に目的地までの距離が近いことを知る。と同時に、灰色の空の明るさが落ち、雲の動きが怪しいことに気付いた。まるで映画のワンシーンのように、一瞬にして龍のような黒雲が湧き、驚くような速さで頭上に迫ってくる。

あれよ、あれよという間に龍雲に飲み込まれ、1メートル先でさえも見えない雷雨に襲われる。霰まじりの大粒の雨は、容赦なく車を叩きつける。車が潰される勢いだった。不安で泣きたい気分をこらえる。

暗雲に解き放たれた瞬間、まったく何もなかったかのような空に戻された。まるで夢だったかと思うような出来ごと。それまで無言だった同乗者たちもいっきに不安を口にする。

「不吉な予感…」「あの雲は、雹を降らせる雲かもしれない」いろんな憶測が言葉となって消えた。

レイヨン川に沿ってうねる丘陵が霞をともなう幻想的な光景が見えてくる。ここは、ロワール地方の西、ロワール河畔の古城の街アンジェから南西へ20キロほど下った場所で、さらにレイヨン川を横ぎり南下したサン ランベール デュ ラティという小さな村だ。

その村の入口に『ドメーヌ モス』はあった。カーヴで大きな山男のような風貌のルネが待っている。

開口一番「今朝、緊急事態があったんだ。雹だよ。被害が心配で、妻アニエスが確認に行っている」と。

あの黒雲が雹を降らせたのだ…と、誰もが確信した。

この記事を書いた人は…

AYUMI IKEDA池田 あゆ美

自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。

アニエス & ルネ モス のワイン
Agnes et Rene Mosse'S WINE
ピクール「おうちでバル気分」オーストリアセット - COPYRIGHT © TESSY Ital ALL RIGHTS RESERVED.
Sold out

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