当主のダリオはレストランやホテルに食材や他の醸造家のワインを供給する仕事に従事していました。しかし、彼はワイン造りへの情熱を抑えることができず、1993年に自家瓶詰めのワインを始めました。しかし、10年間はワインが全く売れず、友人であるラディコンやラ カステッラーダ、グラヴネルが世界的に注目を集める中、ダリオ氏は自宅の1階で居酒屋を営みながら、自らのワインとサラミを量り売りして生計を立てていました。

彼のワインが注目を集め始めたのは2004年、ナチュラルワインの大規模イベントであるヴィラ ファヴォリータにて、当時無名のダリオ プリンチッチによる長期間マセラシオンされたオレンジワインがかった白ワイン、ビアンコ トレベツが人気を博し、フリウリを代表する人気の醸造家の一人に躍り出ました。

ダリオ プリンチッチのワイン造りは自然で伝統的な手法を実践しています。栽培に関しては自然を最大限尊重し、化学薬品を一切使用せず、有機の堆肥を3年に一度のみ使用します。醸造面でも、温度管理は行わず、天然酵母のみで発酵を進めます。清澄や濾過は行わず、二酸化硫黄も瓶詰め時にごく少量を添加するだけです。そして、全ての白ワインは赤ワインと同様に果皮から成分をしっかり抽出するためにマセラシオンを行い、誰にでも親しみやすい優しいスタイルのワインが生まれます。

文： インポーター資料を元に編集
写真： ©Tessy Ital