覚えておきたいブドウ品種(リースリング)

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今回はリースリング。今年最後なので何か意味を持たせたいと思ったのだが、リースリングを選んだことにまったく意味はない(笑。お許しを。

さて、リースリングはライン河上流が発祥地で、モーゼル、アルザスで15世紀のものが古い記述として発見されている。現在でもドイツ、フランスではアルザス地方で多く栽培されていて、他にもオーストリア、北部イタリア。新世界ではカナダ、アメリカ、オーストラリアなどで栽培され、高い品質のワインが生み出されている。

リースリングの魅力は、何と言ってもシャープで繊細、豊かな酸味。この豊かな酸が長期熟成を可能にしていて高いポテンシャルをもつ品種と言える。だが、1990年前半までに飲み慣れた方は「そうか?」と思う方がいるのではないだろうか。

19世紀から20世紀初頭にかけてのドイツのリースリングは、繊細で豊かな酸、貴腐による芳醇な甘みと上品さからフランスの偉大な赤ワインと同様の評価を受けていた。その評価に甘える人も多く、大量生産されるように(どの世界でも同じだ)。

リースリングは、収量を高くすると引き換えに品質が著しく下がる。その風味の乏しさを補うために糖分を残す造りとなり、悪い意味でのジュースのようなワインが量産された。

結果、ドイツ リースリングのイメージ低下を長く引きずることになるが、1980年代後半くらいからリースリングによるワイン造りは品質重視へと方向転換をする。収量を抑え、質の高いブドウを栽培する生産者たちが、アルザス、ドイツ、オーストリアで増えていった。

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ITARU TESHIMA手島 格

自然派ワイン専門店『ピクール』店主2号。現在、ワインコンサル、ワイン販売、飲食店へのソムリエ派遣など、ワインに関わる多くのことに対応させていただいております。世の人が少しでも楽しく幸せになれるように「楽しませて、自分も楽しんで」をモットーにしています。ワイン業界以前は、WEBゲーム業界において、デザイン、システム開発、企画などの現場業務からマネジメントまでと、様々な経験を積み重ねてきました。寝食を犠牲にした分、それが礎となり、今でも役に立っているような気がします。仕事も趣味も多岐に渡りすぎたのか、独立すると、なんでも屋に…笑。今の趣味はダンスから柔術へ。WEBブランディング、ロゴ制作、ホームページ、写真撮影、社内システム整備など、ワイン以外でのご相談もどうぞ。 tessy.work