「あなたは、なぜ赤ワインがお好きですか?」 ミレニアムに湧いた2000年といえば、たった20年前のことですが、じつはその少し前まで日本の赤ワインの消費量は、白ワインの半分以下でした。
日本人の嗜好の方向性が大きく赤ワインに振れたのは、皆さんご存知の「フレンチ パラドックス」すなわち赤ワイン健康ブームがきっかけです。
赤ワインに多く含まれるポリフェノールが活性酸素の除去や抗酸化作用があるため、動脈硬化の予防につながる…という情報が日本に上陸し、赤ワインブームを巻き起こしました。
失礼ながら、赤ワインしか飲まないという中高年男性諸氏が増えたのもこの頃です。
じつは、その後の研究で「赤ワインも白ワインも抗酸化力は変わらない」と報告されていますが、現在も赤ワイン健康説は根強く続いています。
「あなたは、心から赤ワインがお好きですか?」赤ワインに限らず、流行っているから、カラダに良さそうだから、高級だから、上級者に見えそうだから…という理由で、そのワインを飲んでいるのなら、ワインとの出会いや楽しみの幅を狭めているのは自分自身です。
赤、白に限らず、ワインの世界は果てしなく多様で、お料理とのマリアージュでさらに無限に広がります。
自分の好みの先入観や思い込みを手放して、自然体でワインを味わってみると、そこには違う驚きや発見があります。
今回は、ワインの色の世界を巡り旅してみましょう。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。