【今回のワイナリーは…】
ボワ ルカ / Bois Lucas
【生産者は、こちらの方…】
新井 順子 / Arai Junko
雨
4.4℃
90%
0.97m/NW
21:39
07:19
北に丘陵、南に沃野が広がる山形県南陽市。
国道13号線を車で走ると、見慣れない光景が広がっていた。
なだらかな丘陵地に、幾何学的な模様が柔らかい日差しに銀色に輝いている。
よく見ると、ブドウ畑だ。
アーチ型のビニールハウスが連綿と連なる、まさに一大ブドウ団地。
その風景に圧倒された。
山形県のブドウ栽培の歴史は長く、江戸時代に広まった。
痩せた水はけの良い土地。
日照量が十分にあり、昼夜の寒暖の差が大きい。
成熟期に雨が少ないなどの気候風土がブドウ栽培に適していた。
そして、8月から9月の夜風の冷たさが、ブドウの成熟度と糖度を助けるという。
明治時代にヴィティス ヴィニフェラ種と呼ばれるヨーロッパ ブドウやアメリカのラブルスカ種の「デラウェア」がもたらされると、いよいよ産地として盛んになり、名声が高まった。
大正初期には、お米より高い値が付き、ブドウ景気に沸いたそうだ。
現在 山形県は、ブドウ生産量が全国第3位、「デラウェア」に限っては日本一の生産地となった。
ワイン界のジャンヌ ダルク…ナチュラルワインの日本人醸造家としてご存知の方も多い、新井 順子さんが日本で初めてワインを仕込むというので、お供として山形にやって来た。
収穫するブドウ畑の選定、ワイン醸造の打合せ、そしてこの土地のブドウ品種デラウェアの特性の研究のためだ。
今回は、この地を拠点に質の高いブドウとナチュラルワインを生み出している『グレープリパブリック』さんの醸造所をお借りして造る。
当然ながら、日本ではブドウも作っていないから、契約農家さんからの買いブドウで仕込む。
そのために到着してすぐに、収穫可能なブドウ畑をくまなく走り廻る。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。