【今回のワイナリーは…】
イミッヒ バッテリーベルク / Immich Batterieberg
【生産者は、こちらの方…】
ゲルノート コルマン / Gernot Kollmann
くもり
1.7℃
81%
3.09m/W
06:54
15:40
冷房の効かない蒸し暑いキッチンで、冷蔵庫から取り出した麦茶をグビグビと飲む。
この時期になると、ふと思い出す「夏に恋する女たち」今となっては、1983年の伝説的TBSの金曜ドラマ枠。
だけど、わけありの男たち女たちの物語には、とくに興味もなかったJKの私。
記憶によみがえるのは、その主題歌で、ピアノが流れて透明感のある甘やかで伸びやかな大貫妙子のボーカルが流れると、心に風がそよいだ。
雨が降っても降らなくても、ジメジメとして蒸し暑い。
不快指数の高いこの時期は、乾いた喉を潤してくれる、爽やかなワインが飲みたくなる。
涼やか、爽やかなワイン産地として、現在、私が注目しているのが、ドイツ。
ブルーのボトルに黒猫エチケットの甘口ワインを思い浮かべる方も多いかもしれない。
けれど近年は、若手生産者の台頭や品質を重視するテロワール回帰が高まり、辛口ワインが増加している。
冷涼な気候が生む美しい酸と澄んだ味わい、そんなドイツワインに世界が注目している。
ドイツワインのなかでも、白ブドウ品種のリースリングは有名で、辛口から甘口、スパークリングまで幅広いスタイルのワインが造られていて、なかでもモーゼルは2大産地の一つとされる。
そのモーゼルの注目の生産者とオンラインでの試飲セミナーが開催されると、お誘いいただいた。
全長250kmに及ぶモーゼル川一帯は開発の進んでいない牧歌的な光景が広がるエリアで、中世の古い町並みを挟み、弧を描いて蛇行する川沿いの断崖絶壁の急斜面にブドウ畑が連なる風景をご覧になったことのある方も多いだろう。
古代ローマ人がこの地を開墾したのは、およそ2000年前。
畑に立って町を見下ろすと転げ落ちそうなほどの急斜面、かつスレート(粘板岩)と呼ばれる岩壁で、よくこんなところにブドウを植えたものだと感心してしまう。
「イミッヒ バッテリーベルク」は、モーゼル最古の醸造所のひとつで、一番古い記録は、908年にまで遡る。
ゲルノート コルマンが当主になったのは、2009年のこと。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。