【今回のワイナリーは…】
レ ジャルダン ド ラ マルティニエール / Les Jardins de La Martiniere
【醸造者は、こちらの方…】
筒井 草 & 大岡 弘武 / Tsutsui Kaya & Ooka Hirotake
くもり
2℃
99%
4.06m/W
07:15
16:20
「ユニコーン ワイン」という言葉をご存知ですか? ユニコーンといえば、架空の動物「一角獣」もしくは、日本のバンド ブームの代表格である、あのバンドのいずれかを想像する方が多いのではないかと思う。
この「ユニコーン ワイン」とは、存在は耳にしたことはあるけれど、誰も実物を見たことがないワインのことを指す言葉。
たとえば、ワインをよく知らなくても『ロマネ コンティ』というワイン名を聞いたことがある人は多いはず。
で、名実ともにブルゴーニュ最高峰のワインで、ワイン愛好家にとっては一生に一度は飲んでみたい憧れのワイン『ロマネ コンティ』は、生産本数は毎年わずか6000本前後。
品質もさることながら稀少性も相まって非常に高値で取引される。
なかでも、45年産は「存在さえ幻」といわれていて、数年前のオークションでは、この1945年産のロマネ コンティを巡り、壮絶な競り合いが繰り広げられた。
その落札額は驚愕の値を叩き出し、世界最高の約6千万円に達した。
グラス1杯約1000万円という驚くべき価格、間違いなくワインの帝王としかいいようがない。
そんなロマネ コンティとまでいかなくても、世にはほかにも「ユニコーン ワイン」が存在する。
今回は、ワイン蒐集家にとって羨望の的であった「ユニコーン ワイン」のドメーヌを引き継いだ日本人の夢広がるお話。
フランス中部「フランスの庭」とも呼ばれる、ロワール地方。
フランス最大の河川ロワールの中流域にあるアンジュとソミュールの中間に位置するクチュール村に、コレクターからも羨望の的となっていた「レ ジャルダン ド ラ マルティニエール」がある。
ワインが日本に輸入されたのは、たった一度だけ(たぶん)。
白ワインは、ほんの60本ほどだったそうだ。
造りは「自然な農法」と「自然な製法」で、ロワールの巨匠マルク アンジェリから購入した古樽で5~9年寝かせ、さらに瓶熟して発売。
1999年から造り初めて、初リリースが2007年という長期熟成のワインだった。
そのワインの味わいは、酸化はしているものの、旨味とエキスに溢れた自然な果実の甘味で重くど太い。
無ろ過で規格からはハミ出す造りだからこその味わいで異色だったそうだ。
そんな「レ ジャルダン ド ラ マルティニエール」を当主のグザヴィエ カイヤールから引き継ぎ、2018年よりワイン造りに携わることになったのが、日仏商事の筒井 草さんが醸造責任者、そしてフランスで長い間、ナチュラルワインのパイオニアだった大岡 弘武さんが醸造コンサルタントとしてスタートした。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。