【今回のワイナリーは…】
AR ルノーブル / Champagne AR Lenoble
【生産者は、こちらの方…】
アントワンヌ マラサーニュ / Antoine Malassagne
くもり
0.9℃
93%
5.76m/NE
07:04
15:57
梅雨晴れの青空は、夏の訪れを感じさせる。澄んだ空に、真っ白い洗濯物がたなびく。
爽やかな気分で空を見上げ、ふと「君は天然色」を口ずさんだ。
大瀧 詠一さんのアルバム『A LONG VACATION』を初めて聞いたとき、目の前を覆っていた霞がちぎれて、鮮やかな景色が現れる。
そんな晴れやかで清々しい気分になったのを思い出した。
あの当時は、音楽的にどこが優れているか、それすらわからなかった。好き嫌いだけで、理由を求めない幼さがあった。ひとつひとつの音にどれだけ丁寧に向き合っているのか。
手間をかけ、工夫を凝らして、熱意と信念を持って音楽をつくっていたのか、今、この年になってやっとわかる。
「おいしいスパークリングはたくさんある。シャンパーニュの石灰質土壌。だからこその味わい、それが重要」と話したのは『AR ルノーブル』のアントワンヌだった。
新しい取り組みを聞きながら、丁寧な仕事ぶりや信念、シャンパーニュに対する向き合い方が大瀧さんに似ていると、ふと重なった。
全然、人間のタイプは違うけれど…。
シャンパーニュの石灰質土壌…その白い土壌のなかでも聖地といわれるのが、コート デ ブラン地区。
この白い丘からしか生まれえない、単一品種シャルドネから造られるシャンパーニュは、ピュアで光沢があり、泡立ちの細かさが、スルリとすり抜けていく心地よい風のような清々しさで、いつ飲んでもおいしいと思わせるスタイルで気品がある。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。