エルメスのデザイナーが変わると、ブランドの雰囲気やスカーフの柄がガラッと変わるように、造り手が変わると、同じドメーヌやシャトーで造られたワインであっても、その味わいはまったく変わります。
そして、同じ洋服を身につけても、自分が着るとなぜかオシャレに見えない。
ディスプレイでは可愛く見えて買った服が自分が着ると可愛くない。
何だか似合わない気がする…なんて経験、ありますよね? そんな悲劇を繰り返して、コーディネートとは「服と服」の組み合わせではなく「服と体」の組み合わせ。
そのバランスの方が重要だとわかり、自分に似合う服装やスタイルが自然に着こなせるようになります。
この「服と体」の組み合わせ、バランスと同じなのが「ワインと器」の関係です。
さて、ワインを飲むだけなら、オープナーと器があればいいのですが、グラスも形が変われば、その味わいがグッと変わります。
ワイン バーやレストランで、ワインによってグラスを変える光景。
とても丁寧で、ワインそれぞれの魅力を引き出してくれる素敵なサービスといえますが、これを家飲みで実践すると考えるとやっぱり面倒だし、それだけの数のグラスを揃えるなんてスペース的に無理というのが正直なところ。
ということで、今回は家飲みを楽しむ器、ワインとグラスの関係のお話です。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。