【今回のワイナリーは…】
ドメーヌ モス / Domaine Mosse
【生産者は、こちらの方…】
シルヴェストル & ジョセフ モス / Sylvestre & Joseph Mosse
くもり
13.4℃
94%
6.86m/SW
07:24
16:16
その、太陽の光にキラキラ輝く水面のように眩くて、弾けるフレッシュさに息を呑んだ。
ワインは、年によって味わいや風味が変わる。
「ブドウ品種」「テロワール」そして「造り手」の3つの要素で形成されるワインが、なぜ収穫年=年号によって味わいや風味に違いがでるのかというと、毎年、絶対的に変わる要素としての気候や気象条件がある。
なぜなら、その年その年で天候は一定ではなく、気温や日照量、雨量などが大きく異なる。
年ごとに生育環境が変われば、たとえ同じ畑から収穫したブドウであっても、ブドウの状態は大きく違う。
とすると、その農作物ブドウから造られるワインも全く同じにはならないというのは自然なこと。
何も足さずにブドウだけを原料にして造るワインは、とくにヴィンテージの影響を受けるお酒だといえる。
けれど「ドメーヌ モス」の新しいワインは、荒削りな感性とエネルギーに満ちた世界を放っていた。
それは、ヴィンテージの違いとは明らかに異なる、新しい風が吹いているのを感じた瞬間だった。
世代交代によって、ワインは変わる。
家族経営のドメーヌでは、およそ四半世紀に一度、世代交代が起こるといわれる。
世代交代が起こるたびに、親世代と異なる考えを持つ新世代が、新しいことにも挑戦する。
「ドメーヌ モス」の新世代、ジョセフとシルヴェストル兄弟が母アニエスとともに来日した。
彼らがドメーヌを正式に引き継いだ、2018年のワインを飲みながら、新しい時代を担う若い2人の感性に心を傾けた。
「ドメーヌ モス」は、ロワール河をはさんでアンジュ市の南、ロワール河支流レイヨン川に沿って広がる産地 サン ランベール デュ ラティ村の入り口に位置している。
ロワール地方原産の品種シュナン ブランやグロロー、カベルネ フランのブドウ畑を持ち、白ブドウのシュナン ブランは、土壌の性質によって、いくつかのキュヴェに分けてワインを醸す。
同じシュナン ブランでも、ワインの味わいの個性が異なるのは明らかで、これは土壌の違いが味わいに影響しているのことだった。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。