【今回のワイナリーは…】
カーゼ コリーニ / Case Corini
【生産者は、こちらの方…】
ロレンツォ コリーノ / Lorenzo Corino
くもり
3.9℃
66%
0.94m/W
06:36
15:51
森に朝霧が棚引いている。
春の穏やかな光が夜露にしっとりと首を垂らす若葉を照らし始める。
木々を通り抜け歩いていくと、崖の向こうに海と空が出会う野原にたどり着く。
ロレンツォ コリーノのワインは、たとえば、そんな自然の光との遊歩を思わせる。
足どりはゆっくりと、ときには、草木の香りに立ち止まるほどに。
そうでなければ、ロレンツォ教授の美しさと強さを秘めたワインの穏やかで光芒と温かい魅力は、楽しめない。
カーゼ コリーニのワイン「ラ バルラ 2006」と出会って、その別格の素晴らしさに夢中になった。
まるで欧州車をこよなく愛する人が「アルファ ロメオ」というブランドに、心躍らせるのと同じように「カーゼ コリーニ」と名前を耳にするだけで、胸をワクワクさせた。
と同時に、そのバルベーラの個性が、同じ品種のほかのワインとまったく違うのは、どういう意図で造られているんだろうかと、とても興味をもった。
何度かそのワインと向き合ううちに、その造り手のブドウの「完熟」に対する定義がまったく異なるということを知る。
それがロレンツォ教授との出会いだった。
一般的なブドウの完熟は、糖分と酸の量の比率で計る。
で、その数値とブドウの味わいで収穫時期を判断する。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。