ワインの器、どう選ぶ?

ピクールからのお便り「ワイン日和」 - IMAGE COPYRIGHT © PCOEUR ALL RIGHTS RESERVED.

大人も涼を求めたい。

真夏日や熱帯夜の厳しい暑さが続きますね。

エアコンでの室温管理が当たり前になりつつある昨今、そんな毎日にも涼を感じる日本の伝統も取り入れたいですね。

暑さを乗りきる伝統的な涼の取り入れ方として、自然の風と水は欠かせないものでした。

夏の日差しは葦簀(よしず)で遮りながら、外で打ち水をして風が室内を通るように工夫する。

風の通る場所に風鈴を吊るし、涼やかな音に酔いしれる。

さらに、泳ぐ金魚を鑑賞したり、夏野菜やスイカを水に浮かべて食べるなど「水」と「風」を上手に活用し、五感で暑さをしのいでいたそうです。

とはいえ、やはり日中は非常に暑く、湯屋でぐずぐず時間をつぶしたり、ずる休みをしてふて寝をする庶民もいたそうです。

ワインで涼を呼び込むなら、涼やかなグラスに凝ってみたり、海の底で熟成させた「海底ワイン」で海を感じるのも良いかもしれませんね。

今回は、ワインを楽しむ器、ワイングラスのお話です。

ワインを楽しむとき欠かせないのが「ワイングラス」皆さんは、どのようなタイプをお使いですか?

ワインは、味わいはもちろん香りも色も楽しむもの、ですからグラス選びも重要です。

ワインに脚付のグラスを選ぶ理由として、脚(ステム)の部分を持つことにより、指の温度でワインが温まるのを防ぐという利点があります。

また中央部が球状になったチューリップ型のグラスを使うと、ワインのアロマが空気に触れて引き出され、グラスのなかにこもった香りが鼻腔をくすぐる。

つまり、ワインの香りをしっかり堪能することができるといわれています。

反対に、水用のグラスのような飲み口の広いコップは、香りが外に逃げてしまいますので、安ワイン向きです。

神田の羊肉料理で有名な某中華食堂では、まさにワインもビールも同じコップで楽しみますが、こういう場合は、細かいこと抜きで料理と雰囲気を楽しむに限ります。

さて、どのグラスを選ぶ? というのは、ワイン愛好家にとって非常に重要な課題です。

この記事を書いた人は…

AYUMI IKEDA池田 あゆ美

自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。