パカレが描く、ワインの理想(カタチ) – フィリップ パカレ –

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【今回のワイナリーは…】
フィリップ パカレ / Philippe Pacalet

【生産者は、こちらの方…】
フィリップ パカレ / Philippe Pacalet

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始めてフィリップ パカレに出会ったのは、ドメーヌ訪問の合間に立ち寄った、ボーヌのカーヴでだった。

その風貌は、音楽家バッハのイメージに重なった。

音楽室に飾られていた、そう、あの肖像画。そして、ぱっと見た瞬間に、ただ者ではないオーラを放つ人だなという印象を受けた。

フィリップ パカレのワインは、大きく違う。

それが、最初にパカレのワインを味わったときの印象だった。

ほかのブルゴーニュのワインとまったく違うのだ、その薄く繊細なガーネットの色味だけでなく、その液体が放つ味わいも、やわらかい光の粒子が包み込んでくれるような感覚は、ピノ ノワールの別世界を彼が描いているように感じた。

ブルゴーニュにも、自然派やビオディナミ栽培に取り組む造り手はいる。

けれど、こんなにも強く、ほかのブルゴーニュ ワインとの違いを感じたことはない。透明感のあるしっとりとした気配のなかに、しなやかで女性的な味わいが全身を駆け巡ける。

この感覚は、なんだろう。バッハの「G線上のアリア」を聞いたときに感じた、あの感動と美しさが、なぜか思い出された。

パカレという造り手は、テロワールを、ピノ ノワールを、どのように引き出して、描いているのだろう? その思いは、彼がデビューをしたときから変わらない。

そして、その成長、進化する過程をワインで楽しみながら、いつか、直接、話しを聞こう、そう考えた。

この記事を書いた人は…

AYUMI IKEDA池田 あゆ美

自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。