【今回のワイナリーは…】
ジャック セロス / Jacques Selosse
【生産者は、こちらの方…】
アンセロム セロス / Anselme Selosse
くもり
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07:04
15:56
「今日は、ワインの造り方の秘訣については、話さない」
そのシャンパンを始めて飲んだときから、あまりにもほかのシャンパンと違うから「どうやって造っているの?」「なぜ、この味わいになるの?」と、そればかり考えてきた。
何度、飲んで理解しようとしてもわからない。
「おいしい」のひとことでは、片付けられないのが彼のシャンパーニュ。
ほかに類をみない、個性的でいて圧倒的な存在感。その神々しい黄金の液体は、私の好奇心をかきたてた。
彼が巻きおこすシャンパーニュの風、それを知りたい、感じたい。その答えを求めて、アヴィス村にあるジャック セロスを訪ねた。
「テクニックよりも大切な考え方、哲学について話すよ。それが本当に知るべきことだからね」
カリスマ醸造家アンセロム セロスは、まずそう語った。
「世界各国には、各地で育んできた食の文化や知恵がある。例えば、日本だったら日本酒や味噌がそうだね。目には見えない世界で繰り広げられる微生物たちの営み、それによって生まれる発酵食品…その土地土地で受け継がれる食や発酵の文化、それが私にとっては、シャンパーニュということ」
自分はシャンパーニュの造り手であり、シャンパーニュを、そしてその土地の個性を、シャンパーニュという食文化として伝えたい。アンセロムの言葉から、そんなニュアンスを強く感じた。
この記事を書いた人は…
AYUMI IKEDA|池田 あゆ美
自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。