ワインは再び、自然化へと戻る

ピクールからのお便り「ワイン日和」 - IMAGE COPYRIGHT © PCOEUR ALL RIGHTS RESERVED.

夏真っ盛り。

燦々と輝りつける太陽が肌を刺し、茹だる暑さに汗が吹き出して、夏の醍醐味と放つエネルギーを感じます。

とはいえ、カンカン照りかと思ったら、いきなり空が積乱雲に覆われ、大雨が降り出すのも夏ならでは。

いわゆる「青天のへきれき」ともいうべきこの現象、かつては「夕立」と呼ばれてるレベルのものでした。

けれど、近年では滝のように雨が降る「ゲリラ豪雨」と呼ばれる日も増え、あちこちで河川が氾濫したり、浸水被害も増え、なぜ、毎年ゲリラ豪雨が降るのか。

そしてあちこちで水害が発生するのか。

私たちが当たり前のように住む地球、その未来は大丈夫なのかと、ふと心配にもなります。

ただ、世界各地の異常気象の発端が「温暖化」や「環境問題」と簡単な言葉で括られると「私には関係ない」と思う人が圧倒的に多くなるのも事実です。

自然なワインの生産者たちとの付き合いも20年近くになり、彼らから最初に教わったのは「豊かな森や山が豊かな海をつくる」そして「食と森と海は繋がっている」ということでした。

彼らは、青い地球を未来の子供たちに残すために、自然なワイン造りを実践していると話します。

彼らの生き方や強い意志を垣間見るにつれ、企業などのSDGsへの取り組みは、表面的なもので実態が伴っていないと感じることも多いのですが、ではなぜ、ワイン造りが自然な方向へと向かったのか、今回は「ワインの再自然化」のお話です。

この記事を書いた人は…

AYUMI IKEDA池田 あゆ美

自然派ワイン専門店『ピクール』店主。映画業界、音楽業界、出版業界、IT業界…その時代時代で色濃く表現されるエンターテイメントが好きで、時代のニーズを捉え、それら一つ一つを私は職業としてきました。当時、男性社会と言ってもいいほどの厳しい業界をがむしゃらに走ってきたせいか、身体はボロボロ…。そんなときに訪れた地中海で「食卓」から生まれる人生の楽しさや豊かさに感銘を受け、今のナチュラルワインの仕事へと導かれていきました。ワインだけでなく、食、旅、音楽、映画など、一見関係ないジャンルの感性も大切にして、ワインを選ぶようにしています。ワイン通信販売、業務用卸売、ワインコンサル、セミナーなど、様々なニーズに丁寧にお応えします。